ビジョンと算盤ー同じ大きさのタイヤで走る経営ー
- 吉川義之
- 8月25日
- 読了時間: 2分

会社は経営者の考え方や想いで変わる—経営していて、私はその事実を何度も実感してきました。鍵のひとつが「ビジョンと算盤」です。
二宮尊徳の「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉のとおり、ビジョンだけでも、数字(算盤)だけでも前には進めません。車がまっすぐ走れるのは、四輪のタイヤの大きさが揃っているから。どれか一つでも大きすぎたり小さすぎたりすれば、同じ場所をぐるぐる回ってしまいます。経営も同じで、ビジョンと算盤の“直径をそろえる”ことが大切だと今の私は考えています。
私が「両方」を大切にする理由
会社を設立した当初、私は理想を語ることが多く、「夢の実現」に胸を躍らせて走り出しました。おかげさまで順調に売上は伸び、黒字経営を続けていました。しかし、さらに理想を形にしようと事業拡大を続けるうちに、会社はたちまち赤字に転落。赤字が続けば、会社は必ず立ち行かなくなる—実際、正直に言えばその寸前までいきました。
そこで今度は、ビジョンよりも数字を追うようになりました。数字を追えば短期的には良くなります。けれど、数字ばかりに偏ると「思っていた会社ではない」「経営者は数字ばかり」という声が生まれ、社員や周囲からの信頼が薄れていく。そんな場面も、私は身をもって経験してきました。
立ち戻る拠り所は「経営理念」
どちらか一方に寄りすぎると、会社はうまく前に進めません。当たり前のことなのに、経営の現場では見失いがちです。だからこそ私は、いつでも立ち戻れる場所として「経営理念」を軸に置いています。(理念に基づく意思決定 — 迷ったときに立ち返る“軸”)自分の考えや判断がその軸からズレていないか、常に点検する。そして、もしズレていれば率直に指摘してくれるのが役員や幹部の存在です。そういう意味で、アバンサールの役員・幹部は本当に心強いと感じています。
これからの私の経営
私はいま、「どちらか」ではなく、ビジョンと数字を“噛み合わせる”経営を選んでいます。志が立つほど数字が良くなり、数字が良くなるほど志に近づく—その循環をつくること。
四輪の直径をそろえ、まっすぐ遠くへ。これからも、一歩ずつ積み重ねていきます。
文中の話題「理念に基づく意思決定ー迷ったときに立ち返る”軸”」を読む



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