理念に基づく意思決定ー迷ったときに立ち返る”軸”
- 吉川義之
- 6月2日
- 読了時間: 2分
更新日:6月6日

会社を経営していると、日々さまざまな意思決定を迫られます。
将来の見通しがはっきりしない中で、
「これで合っているのか…?」
「間違っていないだろうか…?」
と迷いながらも、決断しなければならない場面が多々ありますよね。
私がそんなときに大切にしている判断基準が【理念】です。
「この決断は、掲げている理念から外れていないだろうか?」
と立ち止まって考えることで、結論がぶれないようにしています。
目先の利益より、理念を優先する難しさ
「理念を中心に据えて考える」言葉にすると簡単そうですが、実際やってみるとけっこう難しいものです。とくに経営をしていると、どうしても目先の利益を追いかけたくなるときがあります。しかし、それを優先するあまり、理念から外れてしまいそうになることもしばしば。
たとえば、アバンサールの理念には「笑顔で人の心を癒し、絆を大切にする」という言葉があります。短期的な利益を得ようとコスト削減を急ぎすぎて、社員の待遇を犠牲にするような決断をすれば、社員から笑顔を奪いかねません。そうなると、明らかにこの理念に反する結果になってしまうのです。
—経営が苦しいときほど、踏みとどまって理念を貫けるかどうか—そこに経営者の真価が問われると私は考えています。
戦国武将・上杉景勝の「義」に学ぶ
私が尊敬している戦国武将に、上杉景勝という人物がいます。彼は「義」を貫き通した武将として知られています。
関ヶ原の戦いの発端となった「会津征伐」では、徳川家康が上杉景勝を討つべく兵を起こしました。しかし、大阪城で石田三成が挙兵したことを知った家康は、会津征伐を中止して大阪に向かいます。そのとき家老の直江兼続は「背後から家康を討つ好機」と進言しましたが、景勝は「逃げる者を背後から討つのは義に反する」とこれを拒み、実行しませんでした。
他にも上杉景勝には「義に反する行為は決してしない」というエピソードが数多く残っています。つまり、彼が下した意思決定の根拠は「義」という理念。どんなに有利な状況でも、理念に反することはしなかったのです。
リーダーが下す意思決定が理念から逸れてしまうと、社員や取引先から……【Part②に続く】
→2025年6月5日(木)に更新 Part②を読む
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