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「一方聞いて沙汰するな」ーバイアスに縛られないために

  • 吉川義之
  • 5月26日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月6日


「一方聞いて沙汰するな」とは、“どんな人の声にもまんべんなく耳を傾け、その立場を理解し、総合的に考えた上で判断せよ”という意味です。初めてこの言葉に出会ったとき、私は「まさにその通り!」と強く共感しました。特に、人から人へ伝わる情報はバイアス(偏見)が入りやすいんですよね。



バイアスの怖さと“直接聞く”大切さ


 たとえば、ある人から別の人に情報が伝わるとき、その人の感情や考えが混ざってしまうことがあります。ですから、私は「まずは直接話を聞こう」と意識してきました。一方的な意見だけで意思決定するのではなく、別の人の視点やデータを取り入れる。そうして総合的に考えることで、より正しい判断に近づけるのではないかと思うのです。



孔子の教え —— 多くを見聞きし、疑わしいものを排除する


 実はこの言葉、「孔子の論語」が由来だそうです。


 論語の中には、

「多くのものを見聞きし、疑わしいことを取り除いて確実なことだけを慎重に伝え、行えば、咎められることは少なくなる」


といった趣旨の一節があります。


 私たちは現代において、ネットやメディアなどで手軽に情報を得られるようになりました。しかし、その分、たった一つの情報に飛びつきやすくもなっています。“情報過多”の時代だからこそ「多方面から情報を収集し、確かなものを慎重に選ぶ」という姿勢がより大切なのだと感じます。



リーダーこそ「一方聞いて沙汰するな」


 特にリーダーやリーダーを目指している人は、一人のスタッフの意見だけを鵜呑みにするのではなく、複数のスタッフから話を聞くことが重要です。ニュースやメディアの解説をそのまま信じるのではなく、専門家の意見や一次情報に当たることも必要です。


 どうしても人は、聞きやすい意見や自分に近い人の言葉を重視しがちですよね。

 また、感情が先立つと、その情報が歪められて伝わることもあるかもしれません。だからこそ、ニュートラルな状態で「その情報は本当に正しいのか?」「その意見は本当にみんなの総意なのか?」を考える視点が求められます。



【まとめ】


「一方だけの意見で判断しない」

「多方面から情報を集め、バイアスを取り除く」

「慎重に見極めたうえで行動する」


 これらは昔から伝わる大切な教えですが、現代でも十分通用するどころか、むしろ今こそ必要な考え方ではないでしょうか。もちろん、この文章に書かれた情報も「一方聞いて沙汰するな!」(笑)。多くの意見や情報を吟味して、自分の判断軸をしっかり持ち続けたいですね。

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